序章 12月19日(日) 晴れ 庭に入ってきた野良猫を見てたら無性に腹が立った。 勝手に僕の場所に入ってくるな。 僕は窓を開けて叫びながら手元にあったボールペンを投げつけた。 猫はすばやくよけてそのまま遠くに逃げ去った。 逃げる背中に向かって唾を吐くと、ヨダレが垂れて手についた。 冷たい。 あの熱さが嘘のようだ。